不妊治療の第一段階であるタイミング法について、わかりやすく解説していきます。
自己流妊活でも、排卵日を予測して、排卵日の2日前がベストタイミングで…
など知識がある方も多いのではないでしょうか。
それに加えて、病院で不妊治療として行うタイミング法について、どのような治療があるのか、わかりやすく解説します。
病院によって、また、治療段階によって、同じタイミング法でも、やる治療、やらない治療があります。
私も、今から説明するすべての治療を実施したわけではないので、様々な方法があるよということを知っていただける機会になればいいなと思います。
タイミング法以外の不妊治療には何があるのか、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!
タイミング法の主な流れ
タイミング法は、不妊治療において一番はじめに行う治療方法です。
タイミング法とは、様々な観点から、医師が正確に排卵日を予測して、性交のタイミングを指導してくれる治療法です。
自己流妊活と異なる点は、排卵日の予測が的確なことや妊娠を維持するための治療があります。
では、具体的にどのような排卵日の予測方法があるのか、また、そのほかの治療についても詳しく解説していきます。
排卵日を予測
基礎体温
低温期~高温期にかけて変化する数日を排卵日と予測します。
超音波検査
生理7~10日目に受診し、経腟超音波を使用して、卵胞の大きさや子宮内膜の厚さを確認します。
排卵日が正確に予測できるまで、卵胞の成長具合を何度も確認することがあります。
そのため、排卵日前は連日受診となることも多いです。
また、不妊治療においての超音波検査は、経腟超音波を使用します。
経腟超音波とは…
経腟超音波とは、細長い棒状の形をしている超音波の器具で、膣から入れて子宮や卵巣の状態を確認します。
なぜ、そのような器具を使うのかというと、子宮や卵巣は骨盤の大きな骨の中にある器官であり、一般的な超音波検査では骨が邪魔をして見えにくいそうです。
そのため、子宮や卵巣、卵胞の大きさなどを確認する際には、経腟超音波を使い、より近い距離から正確な映像を取得します。
卵胞の大きさ
一般的に、18~22mm程度での排卵が予測されます。
排卵する直前まで見極めて、的確な排卵時期を指導してくれます。
また、卵巣を刺激する注射を打ち、卵胞を育てる場合もあります。
子宮内膜の厚さ
約8㎜~14㎜程度が妊娠率が高まる傾向にあります。
頸管粘液の状態
頸管粘液の性状変化=おりものの変化
排卵時期以外は、子宮内に細菌などが侵入するのを防ぐため、子宮の入り口をブロックする役割を持つ頸管粘液ですが、排卵が近づくと、逆に精子を受け入れやすくするために、透明でよく伸びるおりものに変わります。
尿中血中LH
黄体形成ホルモン(LH)は、一般的に排卵する時期の16時間前に分泌ピークがきます。
尿検査や血液検査によって判断します。
排卵誘発剤
排卵誘発剤の注射を打つことで、約36時間後に排卵が起こります。
そのため、より正確に排卵時期を予測することができます。
また、生理2日目から内服や注射で、卵巣を刺激し、卵胞の発育を促すことで、より良質な卵胞を育てることもあります。
性行のタイミングを的確に指導
様々な観点から予測された排卵日をに基づき、医師が指導してくれるので、そのタイミングで性行為をします。
あくまで、タイミング法は自然妊娠に最も近い方法ですので、治療は性行為の前後だけになります。
性交後の治療
ヒューナーテスト
性行為の当日、または翌日にヒューナーテストを実施する場合があります。
ヒューナーテストとは、性交後に、子宮頸管の粘液内にある精子の状態を確認するための検査です。
ここで、精子が確認できれば順調に進んでいる証拠ですが、確認できなければ、なんらかの問題が生じています。
黄体ホルモン補充
内服薬や膣座薬によって、妊娠判定日まで黄体ホルモンを補充する場合があります。
黄体ホルモンを補充することで、妊娠を維持しやすい体に近づけることができます。
たとえば、ルトラール錠やデュファストン、ウトロゲスタン膣錠などがあります。
妊娠の成立
性交後、約2週間後が妊娠判定日となります。
次回の生理予定日あたりです。
妊娠は、前回の生理1日目から始まる週を、0週0日と数えますので、妊娠4週目に尿中または血中のβーhCG値で妊娠判定を行います。
その後、妊娠5週目に、子宮内に胎嚢が確認でき、妊娠6~7週目に心拍が確認できます。
妊娠の確率
一般的に、妊娠しやすい男女の場合で、1周期あたりのタイミング法における妊娠率は、16~18%と言われています。
5~6周期タイミング法を挑戦しても妊娠に至らない場合は、ほかの治療を検討する必要があるかもしれません。
参考までに、自然妊娠における、1周期あたりの妊娠確率と1年以内の妊娠確率になります。
| 年齢 | 1周期あたりの妊娠確率 | 1年以内の妊娠確率 | 備考 |
| 20~24歳 | 約25~30% | 約80~90% | 最も妊娠しやすい時期 |
| 25~29歳 | 約20~25% | 約80% | 妊娠率はまだ高い |
| 30~34歳 | 約15~20% | 約70% | ゆるやかに低下が始まる |
| 35~39歳 | 約10~15% | 約50~60% | 妊娠しにくくなる傾向 |
| 40~42歳 | 約5%前後 | 約30~40% | 卵子の質が大きく低下 |
| 43歳以上 | 約1~2% | 約10~20% | 自然妊娠はかなり難しくなる |
妊娠率を上げるためには
魔法使いでもない限り、若返りはできないので、今の段階で少しでも妊娠率を高めるためには、やはり、生活習慣の改善が必要です。
病院での不妊治療は、お医者さんにお願いするしかありません。
実際、「卵胞がちょうどいい大きさになってきたよ」「明日くらいが排卵日だね」と言われたら、それが合っているかなんてわからないので、とにかくお医者さんを信じるしかありません。
なので、自分たち夫婦にできることと言ったら、自分たちの体をより妊娠しやすい体にすることなのです。
そのためには、今の生活習慣を見直して、できることから始めてみましょう!
食事
抗酸化作用のある食事やバランスの取れた食事を心がける。
タンパク質、ビタミン、鉄、亜鉛、カルシウム、コレステロールなど、まんべんなく取り入れる。
お酒やカフェイン、甘い飲み物、冷たい飲み物などはひかえめに。
サプリで栄養を補う。葉酸、鉄、ビタミンD、オメガ3など。
生活習慣
睡眠7時間前後を目安に寝る。睡眠の質を上げることも大切です。
1日約20分程度の軽い運動。早歩きやヨガ、筋トレ、ストレッチなどがおすすめです。
冷え対策。腹巻、靴下、温かい飲み物などを積極的に取り入れましょう。
喫煙は絶対NGです!
男性は長い禁欲期間は避けてください。
精子は高温に弱いので、通気性の良いパンツを穿く、膝上にパソコンNG、サウナや長風呂はひかえるなど、注意する必要があります。
心のケア
がんばりすぎない!これが1番大事!
ストレス大敵。排卵やホルモンに影響してしまうので自分を大切に!
まとめ
タイミング法とは、様々な観点から、医師が正確に排卵日を予測して、性交のタイミングを指導してくれる治療法ということを詳しく解説してきました。
正確な排卵日の予測がいかに大事であるかが伝わったと思います。
自己流妊活ではうまくいかなかったけど、タイミング法で妊娠された方もたくさんいらっしゃると思います。
ただ、年齢や妊活の期間などを考慮して、妊娠の確率を考えながら、治療を選択していく必要があると思います。
実際に、私もタイミング法は5回挑戦しましたが、妊娠に至らなかったので、次のステップに移行しました。
どのように進めていくか、まずはご夫婦お2人の気持ちを大切に、年齢や体と相談しながら治療方法を決めていってください。
読んでくださりありがとうございました。
次回は、実際に私が体験したタイミング法について受診スケジュールや大変なところをまとめました。





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